盗撮が児童ポルノ事件に
- 2021年4月16日
- コラム
盗撮が児童ポルノ事件になる場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
~事例~
大阪府泉佐野市で小学校の用務員をしていたAは、自身が勤務する小学校の女子トイレに盗撮用のカメラを設置し、数週間後に回収することを繰り返していました。
あるとき、生徒の一人が盗撮用のカメラを発見し、教師に報告したところ、教師は大阪府泉佐野警察署に通報しました。
捜査の結果、Aの犯行であることが判明し、Aは大阪府泉佐野警察署に逮捕されてしまいました。
「Aを盗撮で逮捕しました。」と聞いたAの両親は刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです。)
盗撮行為が児童ポルノ事件に?
盗撮というと各都道府県で規定されている迷惑行為防止条例違反となることはみなさんご存知かと思います。
しかし、盗撮行為で成立する犯罪は、迷惑行為防止条例違反だけではない可能性があります。
今回の事例のAが該当する可能性のある犯罪行為としては、児童ポルノ製造による児童買春、児童ポルノ法違反があります。
「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下、児童買春、児童ポルノ法)」では、児童ポルノをひそかに製造することも禁止されています。(児童買春、児童ポルノ法第7条第5項)
児童ポルノについては児童買春、児童ポルノ法第3条に定義されており、以下のような児童がうつっている写真、ビデオテープその他の物を指します。
1.児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2.他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3.衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
1と2については盗撮行為の対象となることはあまりないかもしれません。
しかし、3については今回の事例のAのように、小学校のトイレやプールの更衣室などを盗撮した場合には該当する可能性があります。
盗撮したものが児童ポルノに該当し、児童買春、児童ポルノ法違反となってしまうと、盗撮による条例違反の場合よりも罰則が重くなってしまいます。
盗撮による大阪府の迷惑行為防止条例違反では「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(設置のみの場合は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」)です。
対して、児童ポルノの製造による児童買春、児童ポルノ法違反では「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」と重くなってしまうのです。
~盗撮で逮捕されたらすぐに弁護士派遣を~
このように、盗撮事件では、代表的な迷惑行為防止条例違反だけでなく、建造物侵入罪や今回紹介した児童買春、児童ポルノ法など、該当する罪名が複数考えられます。
そのため、今回の事例のように「ご家族が盗撮で逮捕された」とだけ聞いても何罪の疑いで逮捕されているのかきちんと確認する必要があります。
そんなときに有効となるのが、刑事事件に強い弁護士を派遣する初回接見サービスです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスでは、お電話でのお手続きで刑事事件に強い弁護士を逮捕され身体拘束を受けている方の下へ派遣します。
そのため、ご家族が盗撮やその他刑事事件で逮捕されたという連絡を受けたらすぐにご連絡ください。