大阪府堺警察署に窃盗罪で逮捕されたら
- 2020年3月8日
- コラム
大阪府堺警察署に窃盗罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
◇大阪府堺警察署に窃盗罪で逮捕された事件◇
無職のAさんは、2ヵ月前に堺市堺区にあるコンビニのカウンターに置き忘れていた財布を盗みました。
財布の中から現金だけを抜き取り、他は近所のゴミ箱に投棄して証拠隠滅を図っていました。
この事件で、Aさんは一週間前から大阪府堺警察署に呼び出されて刑事から取調べを受けていますが、Aさんは、これまで「身に覚えがない。」と言って容疑を否認し続けています。
そして3日前に警察署に出頭する約束になっていましたが、否認を続ける自身をなくしたAさんは、出頭の約束を無視し、その後、警察署からの架電は着信拒否にしました。
すると今朝、大阪府堺警察署の捜査員が数名、自宅を訪ねてきて、Aさんは窃盗罪で逮捕されてしまったのです。
(フィクションです)
◇大阪府堺警察署◇
【所在地】〒590-0951 堺市堺区市之町西1丁1番17号
【電話番号】072-223-1234
大阪府堺警察署は、堺市堺区を管轄する警察署です。
堺市内でも海側(西側)を管轄する大阪府堺警察署は、かつて「堺北警察署」と呼ばれていましたが、平成18年に堺市が政令指定都市に移行したのをきっかけに、平成20年4月に署名が現在の「大阪府堺警察署」に変更されました。
管内には、南海電鉄本線と、南海高野線の主要駅である、堺駅と堺東駅があり、お酒の絡む喧嘩等の刑事事件が多く発生している。
警察署の規模としては、大阪府警の中では中規模の警察署で、警察署内には男性用の留置場が設置されている。
◇事件を検討◇
~窃盗罪~
財産犯事件の代表ともいえる窃盗罪は、刑法第235条に定められている法律です。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。(刑法第235条抜粋)
窃盗罪の客体となるのは「他人の占有する他人の物」です。
また、窃盗罪が成立するためには「不法領得の意思」が主観的な要件となりますが、この不法領得の意思は、窃盗の「故意」ともいわれています。
今回の事件で、Aさんが盗んだ、他人が置き忘れた財布は、まさに他人の占有する他人の物となるので窃盗罪の客体となるでしょう。
~証拠隠滅行為~
現金を抜き取った財布を遺棄する行為は、不可罰的事後行為となり、新たな犯罪を成立しませんが、この行為は証拠隠滅行為となります。
刑事手続きにおいて「証拠隠滅行為」は悪質な行為と捉えられています。
もし警察に捜査を受けている段階で証拠隠滅のおそれがある場合は、逮捕や勾留といった身体拘束を受ける原因にもなりかねないので注意しなければなりません。
~なぜAさんが犯人だとわかったのか?~
今回の事件はコンビニの店内で起こっています。
最近のコンビニでは万引きの防止だけでなく、アルバイト、従業員の不正防止の観点から、死角がないくらいに防犯カメラが設置されています。
おそらく、今回の事件においてもAさんが財布を盗む状況が防犯カメラに映っていたのでしょう。
そしてその映像を基に、捜査員は、コンビニ店員に対する聞き込み捜査や、周辺の防犯カメラの精査などを行ってAさんの身元を割り出しと考えられます。
~任意の出頭を拒否する危険性~
犯罪捜査規範第99条では「捜査は、なるべく任意捜査の方法によって行わなければならない(犯罪捜査規範抜粋)」と任意捜査の原則を定めています。
つまり逮捕の必要性と要件がなければ、基本的には、逮捕して強制的に取調べを行うのではなく、任意の取調べを行うべきだと法律では定められているのです。
しかし任意の取調べに応じなければ、当然、警察等の捜査当局は逮捕状を請求し、犯人を逮捕してから強制的に取調べを行うでしょう。
つまり、任意の取調べを拒否するということは、逮捕されるリスクが高まるのです。
◇大阪府堺警察署の刑事事件を扱っている弁護士事務所◇
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