自動車内での自慰行為が公然わいせつ罪に
- 2020年4月18日
- コラム
公然わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
◇堺市の公然わいせつ事件◇
大阪府堺市に住む会社員のAは、車で通勤をしていました。
いつのころからか、その帰りに自宅近くの駐車場で車を停め、車内で自慰行為をするようになっていました。
その日もAは、いつもと同じように周囲に誰もいないことを確認し、車内で自慰行為をしていました。
すると、巡回中の大阪府堺警察署の警察官がそれに気づき、Aは公然わいせつ罪の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
検察に送致されることなく、翌日には釈放されたAでしたが、何も街中でいきなり露出したわけでもないのに、なぜ公然わいせつ罪に問われなければならないのか疑問に思い、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部の無料法律相談を利用することにしました。
(※フィクションです。)
◇自動車内の自慰行為が公然わいせつ罪◇
公然わいせつ罪は、刑法174条に規定されており、「公然とわいせつな行為をした者」について、「6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と規定されています。
公然わいせつ罪と聞くと、いきなり裸を見せつける、露出魔や露出狂と呼ばれるようなものを想像するかと思います。
対して今回の事例のAは、周囲に人のいないことを確認し、自動車内で自慰行為を行っています。
このような場合でも、公然わいせつ罪となってしまうのでしょうか。
公然わいせつ罪でいう「公然」とは、一般的に、不特定又は多数の人が認識できる状態であるとされています。
つまり、公然わいせつ罪の成立において、実際に不特定又は多数の人がわいせつ行為を認識したのかどうかは関係なく、不特定又は多数の人が認識することができる状況であったかどうかが重要なのです。
そして不特定又は多数とは、不特定であれば少人数、多人数であれば特定人であっても公然性が認められます。
Aの場合、自動車内での行為とはいえ、駐車場は公共の場ですから、誰かが来てAの行為に気づいてもおかしくありません。
そのことから、Aの行為は不特定の人が認識する可能性があり、「公然」にあたるとされ、公然わいせつ罪での現行犯逮捕となってしまいました。
◇公然わいせつ罪の弁護活動◇
今回の事例のAは、現行犯逮捕されてしまいましたが、検察に送致されることなく釈放されています。
刑事事件では、このように逮捕されたとしてもその日や翌日に釈放されるということもあります。
しかし、釈放されたからといって事件が終了したというわけではありません。
身体拘束を受けずに事件が進行していくいわゆる在宅事件に切り替わったというだけで、処罰を受ける可能性は十分ありますので、適切な弁護活動を行っていく必要があるでしょう。
公然わいせつ罪の弁護活動では、目撃者がいる場合には、その目撃者に迷惑料という形でお詫びするための示談交渉をしていくことも有効となります。
しかし、今回の事例のように警察官に現認されて現行犯逮捕されてしまったような場合には、こういった示談交渉は難しいでしょう。
そのため、カウンセリングや家族が被疑者の監督を誓約するなどして再犯防止策を具体的に実行するようにして、検察官と交渉していくことで、不起訴処分の獲得を目指すことになります。
このほかにも、贖罪寄付などの弁護活動がありますので、詳しくは、その見通しを含めて刑事事件に強い弁護士の見解を聞くようにしましょう。
◇公然わいせつ事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部では、公然わいせつ事件のご相談・ご依頼も承っています。
大阪府堺市の公然わいせつ事件でご家族等が逮捕されてしまったという方は、刑事事件に強い弁護士を派遣させる初回接見サービスをご利用ください。
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