【交通事件】飲酒運転での交通事故
- 2023年7月25日
- コラム
【交通事件】飲酒運転での交通事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
飲酒運転での交通事故
会社員のAさんは、知人と共に貝塚市内の居酒屋でお酒を飲んでいました。
そして知人と別れたAさんは、帰宅するために飲酒運転で車を走らせていたところ、お酒の影響か、急な睡魔におそわれハンドル操作を過ってガードレールに衝突する単独事故を起こしてしまいました。
目撃者の通報で駆け付けた大阪府貝塚警察署の警察官に飲酒検知されたAさんは、飲酒運転が発覚し、その場逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
交通事故を起こした場合
交通事故を起こした場合、その事故が物損事故であるか、それとも人身事故であるかによって刑事上の責任の有無が異なります。
物損事故の場合は、事故を起こしたこと自体に対する罰則はありませんので、刑事責任に問われることはありませんが、人身事故、つまり、車やバイクなどを運転し、他の車等とぶつかり、あるいは、歩行者と接触し、相手方に怪我を負わせてしまったり、死亡させてしまった場合には、通常、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)に規定されている「過失運転致死傷罪」が適用されます。
過失運転致死傷罪は、車を運転する上で必要な注意を怠り、人に怪我を負わせた、あるいは死亡させた場合に成立する罪です。
前方不注意や脇見運転など、ちょっとした不注意が「過失」に当たります。
危険運転
事故によっては、より悪質な「危険運転致死傷罪」が適用されることもあります。
例えば、アルコールや薬物の影響によって正常な運転が困難な状態で車を走行させ、人に怪我を負わせたり、死亡させた場合には、「危険運転致死傷罪」に問われる可能性があります。
過失運転致死傷罪の法定刑が、「7年以下の懲役又は禁錮若しくは100万円以下の罰金」であるのに対して、
危険運転致死傷罪のそれは、「負傷させた場合に15年以下の懲役、死亡させた場合には1年以上の懲役」、準危険運転致死傷罪においては、「負傷させた場合に12年以下の懲役、死亡させた場合に15年以下の懲役」と、過失運転致死傷罪の法定刑よりも重く定められています。
飲酒運転で交通事故を起こした場合
先ほど、物損事故を起こした場合、通常は刑事責任を問われないと言いましたが、これは事故を起こしたこと(車を運転して物を壊してしまったこと)についてであって、飲酒運転をしていた場合は異なります。
交通事故を起こしていなくとも、「飲酒運転」そのものについて刑事責任は問われます。
飲酒運転は、道路交通法で禁止されています。
飲酒運転の中でも、一定以上のアルコール濃度を身体に保有して車等を運転していた場合については罰則の対象となります。
具体的には、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上の飲酒運転(「酒気帯び運転」)についての法定刑は、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
更に、アルコール濃度の数値に関係なく、アルコールの影響によって車等の運転に支障をきたす状態での飲酒運転(「酒酔い運転」)については、「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と、「酒気帯び運転」よりも重くなっています。
Aさんのように、物損事故にとどまるが、飲酒運転が発覚している場合には、道路交通法違反(「酒気帯び運転」あるいは「酒酔い運転」)に問われることになります。
飲酒運転で人身事故を起こした場合、「過失運転致死傷罪」と「道路交通法違反」の2罪、もしくは危険運転致死傷罪の適用可能性も考えられます。
飲酒運転に対する厳しい処分
飲酒運転に起因した悲惨な事故は後を絶ちません。
そのため、飲酒運転に対しても厳しく処罰される傾向にあります。
飲酒運転で検挙されて対応にお困りであれば、弁護士に相談し適切に対応されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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