大麻取締法違反事件で不起訴の事例
事件概要
Aさんは、大麻取締法違反で執行猶予中であったが、交通違反で取り締まりを受けた際に車内から大麻とみられる植物片が入ったパイプが発見され、鑑定のためにいったん身体拘束は免れたものの、後日大麻成分が検出されたため、大麻取締法違反(単純所持)で通常逮捕されてしまった。
事件経過と弁護活動
Aさんは、警察から一旦帰された後に弊所を訪れ、今後逮捕されてしまう可能性が高く、また、同種犯罪で執行猶予期間中であったことから実刑になる可能性が高かったため、弊所の弁護士に刑事弁護を依頼しました。
担当することになった弁護士は、Aさんから事情を聴き、すぐに警察に弁護人として選任された旨通知し、逮捕することになった場合には事前に弁護士に連絡をもらえるよう交渉しました。
また、再犯事件であったことから、Aさんには薬物から手を切れるようにダルクやNAなどの自助グループに参加するとともに、精神病院に通院し薬物中毒から脱却するための治療を開始してもらいました。
その後警察から弁護士の方に「1週間後に任意出頭してもらいその後逮捕する予定である」旨連絡を受けたので、弁護士はそれまでの間に自助グループや精神病院に通った履歴の資料をまとめ、逮捕された後に勾留がつかないようにするための意見書を作成しました。
そして、逮捕された翌日の勾留請求に際し、裁判官に対して意見書を提示して、これまでの活動から勾留を付ける必要がない旨説得し、裁判官に納得してもらえたことで検察官の勾留請求が却下され、無事釈放されました。
その後も、Aさんは弁護士のアドバイスに基づいて様々な活動を行い、弁護士はこれらの活動の成果と再犯可能性がないこと、本件で発見された大麻の分量が少なかったこと等を検察官に説明し、最終的に起訴猶予処分を勝ち取ることができました。