飲酒運転による人身事故で公判請求を回避
事件概要
お酒を飲んで車を運転したAさんが、赤信号を見落として交差点に進入し、対向車と衝突して、運転手に傷害を負わせた飲酒運転による人身事故です。
Aさんは、事故時の飲酒検知で0.45という非常に高いアルコール数値が検出されて、その場で、危険運転致傷罪で現行犯逮捕されました。
事件経過と弁護活動
Aさんは事故後に現行犯逮捕されたものの、その後、勾留の必要性が認められず逮捕から48時間以内に釈放されました。
釈放後のAさんに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談をご利用いただき、刑事弁護活動のご依頼をいただきました。
飲酒運転によって人身事故を起こした場合は、道路交通法違反(酒気帯び運転若しくは酒酔い運転)と過失運転致傷罪が適用されるのが通常ですが、アルコールの影響により正常な運転ができないのに運転をして、人身事故を起こしてしまったと判断された場合は、危険運転致傷罪が適用されます。
危険運転致傷罪の法定刑は、非常に厳しく「15年以下の懲役」で罰金刑の規定はありません。
Aさんは、現行犯逮捕された当時、0.45という非常に高いアルコール数値が検出されたことから、危険運転致傷罪によって現行犯逮捕されていました。
そこで弁護士は、Aさんに対して取調べに対するアドバイスを行うと共に、捜査当局に対して、Aさんの起こした人身事故は、アルコールの影響で正常な運転ができないことによって発生したのではなく、Aさんの不注意(過失)によって発生した旨を主張し、過失運転致傷罪の適用を求めました。
その結果、検察庁に送致後に、弁護士の主張が認められて、危険運転致傷罪で現行犯逮捕されたAさんの罪名は、過失運転致傷罪に変更されました。
また弁護士は、事故によって傷害を負った二名の被害者様に対して、ご依頼後すぐにAさんの謝罪の意思を伝え、示談交渉を開始し、交渉の末に示談を締結することができました。
こうした、弁護活動の結果、Aさんは道路交通法違反(酒気帯び運転)と、過失運転致傷罪で略式起訴されて、罰金刑が科せられたものの、公判請求(正式起訴)は、回避することができました。
解決のポイント
危険運転致傷罪と過失運転致傷罪では、刑事処分に大きな違いがあります。
早期の段階から、弁護士が、Aさんに対して取調べに対するアドバイスを行い、捜査機関に対して過失運転致傷罪の適用を求めたことが、今回の結果を得れた大きな要因ではないでしょうか。