強制性交等事件の否認事件で不起訴を獲得
事件概要
路上でナンパした女性とホテルに入り、同意のもとで性交渉に及んだが、女性から強姦の被害を訴えられた強制性交等事件。
強制性交等罪で警察に逮捕されたAさんは、逮捕直後から「性交に対して被害者との間で合意があった。」ことを主張し、強姦を否認していた。
事件経過と弁護活動
Aさんの逮捕を知った奥様からのご依頼を受けて、初めて弁護士がAさんに面会したところ、Aさんは、ナンパした女性をホテルに誘って、お互いの合意のもとで性交に及んだ事実は認めているものの、強姦については否認していました。
そこで弁護士が、Aさんから、事件当日の出来事を細かく聞き出したところ、Aさんの話す内容には信憑性があり、信用できるものでした。
このまま否認を続けても起訴される可能性がないことを確信した弁護士は、Aさんに対して、今後の刑事手続きの流れや、警察の取り調べに対するアドバイスを行いました。
特に否認事件の場合、警察官や検察官の取調べが必要以上に厳しく行われる傾向にあることから、弁護士は毎日のようにAさんの面会を行い、Aさんを励まし続けました。
それと共に、勾留決定に対して異議申立て(準抗告)を行いましたが、この申立ては棄却されました。
更に勾留の10日目に、検察官が7日間の勾留延長を求める請求(勾留延長請求)を行い、それが認められたため、すぐに弁護士は、勾留延長決定に対する異議申立て(準抗告)を行い、その結果、勾留延長の期間が5日間に短縮されました。
勾留期間中、弁護士は担当検察官に対して、警察の捜査が、被害者の不合理な供述に基づいて行われていることを主張し、Aさんの不起訴を求める交渉を何度も行いました。
こうした活動の末、勾留延長の満期日に、「嫌疑不十分」を理由にAさんの不起訴が確定したのです。
解決のポイント
警察等の捜査当局は、容疑を否認する被疑者に対して非常に厳しい取調べを行う傾向にあり、その取調べに屈してしまう被疑者も少なくないといわれています。
勾留期間中、弁護士が、毎日のようにAさんに面会し、取調べに屈することがないように励まし続け、それにAさんが応えて否認を貫いたことが、不起訴を得ることのできた一番の理由ではないでしょうか。