万引きの再犯で執行猶予を獲得
事件概要
高齢のAさんが、スーパーにおいて食料品(約5,000円相当)を万引きした窃盗事件です。
Aさんは認知症やクレプトマニア(窃盗癖)の症状が見受けられ、過去にも同様の犯行を複数回犯し、本件犯行の5年ほど前にも窃盗罪(万引き)で、執行猶予付きの判決を受けています。
事件経過と弁護活動
息子さんからの法律相談を受けた時、すでにAさんは、警察、検察の捜査を終えて、窃盗罪で起訴されていました。
息子さんは、高齢のAさんが刑務所に服役することを不安に感じており、刑事弁護活動のご依頼時、執行猶予付きの判決を強く望んでいました。
窃盗事件の刑事裁判では、被害弁償や示談の有無が判決に大きく影響します。
そのため弁護士は、被害スーパーとの示談交渉を早急に開始したのですが、開始当初は被害者感情が強く、交渉は平行線をたどりました。しかし弁護士が粘り強く、被害スーパーに対して、Aさんの謝罪の意思を伝えて交渉を続けたところ、しばらくして、被害スーパーに、示談と被害弁償に応じてもらうことができました。
またAさんが窃盗事件を繰り返していることから、刑事裁判までの間に、Aさんに専門医の診察を受診していただき、継続的な治療を受けていただきました。
更に刑事裁判で、今後、息子さんがAさんの監視、監督を行うことを約束したところ、被害者への被害弁償が完了し、示談が成立していることや、Aさんだけでなく、家族がAさんの更生に向けて積極的であることが認められ、検察官から実刑求刑がなされていたにもかかわらず、執行猶予付きの判決を獲得することができました。
解決のポイント
被害者への被害弁償や、示談を早急に行い、またAさんやご家族が、積極的に更生に向けた取り組みを行ったことが、執行猶予付きの判決を得れた大きな要因ではないでしょうか。