痴漢事件で逮捕 早期釈放を目指す
- 2020年2月29日
- コラム
痴漢事件を起こして逮捕された方の早期釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
◇電車内の痴漢で逮捕◇
Aさんは、大阪府河内長野市を走行する電車内で、女性Vの臀部を着衣の上から触った疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
警察に連れて行かれた後、話しを聞かれて帰宅できるだろうと考えていましたが、帰宅できないどころか、逮捕日から2日後に勾留決定が出されてしまいました。
Aさんは会社員で、一刻も早く外に出なければ、職場を解雇されてしまいます。
(フィクションです。)
◇大阪府迷惑防止条例違反◇
一般に、大阪府内の電車内で痴漢事件を起こすと、大阪府迷惑行為防止条例違反の罪又は強制わいせつ罪の嫌疑をかけられることになります。
ケースのように、着衣の上から女性の臀部を触ったに留まる場合は、大阪府迷惑行為防止条例違反の疑いで捜査されることが多いと思われます。
大阪府迷惑行為防止条例第6条1項1号は
①人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、
②公共の場所又は公共の乗物において、
③衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること
を禁止しています。
これに違反し、有罪判決が確定すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
◇痴漢で逮捕された後の手続き◇
逮捕後、警察署に引致され、警察官による取調べを受けます。
留置の必要があると認められると、逮捕時から48時間以内にAさんを検察へ送致します。
送致を受けた検察官は、身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するか、あるいはAさんを起訴するかを決めます。
勾留請求がなされると、裁判官が勾留の要件を満たしているか否かを審査し、勾留決定を出すか、あるいは勾留請求を却下するかを決めます。
勾留決定がなされると、10日間勾留されることになります。
やむを得ない事由があると認められると、さらに最長10日間勾留が延長されます。
◇一刻も早い身柄解放活動を弁護士に依頼◇
上記の通り、逮捕・勾留されてしまうと、捜査段階において、最長23日間もの間身体拘束を受けることになります。
Aさんは会社員ですが、23日間も会社を無断欠勤すると、解雇されてしまう可能性が極めて高いと思われます。
したがって、一刻も早く留置場や拘置所の外に出て、今まで通りに会社に出勤することが、Aさんの社会復帰を早める第一歩となります。
~早期釈放のための弁護活動~
勾留は、
①被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、下記の何れかに該当する。
A 被疑者が定まった住居を有しないとき
B 被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
C 被疑者が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき
②勾留の必要性が認められる場合
に行うことができます。
Aさんに弁護士がいれば、検察官や裁判官に対し、勾留の要件を満たさないことを訴え、勾留請求、勾留決定をしないよう働きかけることができます。
この活動が功を奏せば、勾留されずに済むので、釈放されることになります。
◇勾留決定後に釈放を目指すこともできる◇
勾留決定に対し不服がある場合(例えば勾留の要件を満たさないのに勾留決定が出てしまった、など)は、「準抗告」という不服申し立て制度を通じ、勾留の取消を求めることができます。
また、勾留の理由または勾留の必要がなくなったときは、勾留の取消請求を行うこともできます(準抗告とは異なります)。
さらに、裁判官の職権により、勾留の理由がある場合であっても、適当と認めるときは、勾留の執行を停止することができます。
勾留の執行停止がなされる場合として、療養の必要がある、家族が死亡した場合などが挙げられます。
専ら裁判官の職権によって行われますが、適時、裁判官に職権発動を促すことにより、勾留の執行停止を実現できる場合があります。
◇減軽を求めるための弁護活動◇
被害者と示談が成立すると、当事者間において事件が解決したものと判断され、釈放される可能性が高まります。
示談を成立させることにより、今後Aさんになされる処分も、より有利な内容(不起訴処分、より軽い量刑による判決など)のものになる可能性が高まります。
まずは、接見にやってきた弁護士から身柄解放活動について助言を受け、事件解決を目指していきましょう。
◇痴漢事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、痴漢事件の解決実績も豊富です。
ご家族が痴漢事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人刑事事件総合法律事務所堺支部にご相談ください。