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風俗嬢と支払いを巡ってトラブル 強盗致傷罪に発展 | コラム | 刑事事件の弁護士ならあいち刑事事件総合法律事務所 堺版

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風俗嬢と支払いを巡ってトラブル 強盗致傷罪に発展

料金の支払いを巡ってトラブルになった風俗嬢に傷害を負わせた強盗致傷事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。

強盗致傷罪で逮捕

会社員のAさんは堺東駅の近くにある派遣型の性風俗店を利用しましたが、サービスの内容や風俗嬢の容姿に満足できず、サービス料を支払うことに納得ができませんでした。
そこでAさんは、風俗嬢に支払っていた料金の返還を求めましたが、それに風俗嬢が応じなかったことから、風俗嬢がシャワーを浴びている隙に、カバンの中から、すでに支払っていたサービス料の2万円を盗んで部屋を出ようとしました。
しかしお金を盗まれたことに気付いた風俗嬢が、Aさんの服を掴んできたので、Aさんは風俗嬢を突き飛ばしたのです。その際、風俗嬢は身体を壁に打ち付けて、腕を打撲する傷害(後の診断で全治2週間であることが判明)を負いました。
その場は逃げ去ることができたAさんでしたが、その後風俗嬢が警察に被害を届け出たらしく、後日Aさんは、強盗致傷罪で大阪府堺警察署に逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

強盗致傷罪

Aさんの犯行状況を検討します。

まず、風俗嬢のカバンから、すでに支払っているサービス料2万円を盗んだ時点で、窃盗罪が成立していたといえます。
窃盗罪は以下の通り、刑法に定められている法律です。

 

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 

窃盗だけでも立派な犯罪ですが、女の子に気付かれて追いかけられ、突き飛ばしてケガをさせたことにより、強盗致傷罪というとても重い犯罪が成立する可能性があります。

 

刑法第238条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

刑法第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

 

まず刑法第238条の「窃盗が」というのは、窃盗犯人が、という意味です。
前述のようにAさんには窃盗罪が成立していましたから、Aさんは「窃盗」に当たります。
また、Aさんが女の子を突き飛ばした目的は、少なくとも「財物を得てこれを取り返されることを防」ぐ目的はあったでしょう。
「逮捕を免れ」ようとする目的もあったかもしれません。
そしてAさんは風俗嬢を突き飛ばしています。
ここで、強盗罪における暴行や脅迫は、相手方の反抗を抑圧するような強い態様のものをいい、比較的軽い暴行・脅迫の場合には恐喝罪や傷害罪が成立しうるにとどまることになります。
今回も、ちょっと払いのけただけで偶然にも転倒してケガをしてしまったという場合には恐喝罪や傷害罪にとどまる可能性もあります。
このあたりはより具体的な事情を検討した上で判断されますが、ケガをする程度の突き飛ばし方をしたとなれば、反抗を抑圧するような強い態様の「暴行」があったと判断される可能性も十分考えられます。

これらの条件を満たせば、「強盗として論ずる」、すなわち暴行・脅迫→財物奪取という順番のスタンダードな強盗と同じ扱いになるということになります。

そうするとAさんは、刑法第240条の「強盗が、人を負傷させたとき」に該当してしまうので、裁判で有罪が確定すれば「無期又は6年以上の懲役」ということになってしまうわけです。

強盗致傷罪の法律相談は刑事事件専門の弁護士に

弁護士としては、被害者の方に謝罪・賠償して示談を締結するなどし、執行猶予などを含め少しでも軽い判決になるよう弁護活動をしていくことになります。

逮捕されると、釈放の見込みはあるのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、取調べにはどう対応したらよいのかなど、わからないことも多いと思いますので、ぜひ弁護士にご相談ください。

強盗致傷罪でお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部にご相談ください。

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則竹理宇

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