自動販売機から釣銭を窃取 堺市内の窃盗未遂事件
- 2020年3月24日
- コラム
自動販売機から釣銭を窃取する手口の窃盗未遂事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
◇ 窃盗未遂事件 ◇
Aさんは、以前、飲料メーカーの自動販売機に商品を補充するアルバイトをしており、自動販売機のメンテナンスも行っていました。
その時の知識を生かして、自動販売機から釣銭を盗み出すことを思いついたAさんは、数週間前から、堺市内の人通りの少ない場所に設置されている自動販売機から釣銭を盗み出そうとしていますが、犯行途中に人が通ったりして、一度も成功していません。
そして昨夜も、堺市内の路上に設置されている自動販売機の釣銭口付近をバールでこじ開けて釣銭を盗み出そうとしたのですが、犯行中に大阪府堺警察署の警察官に見つかってしまい、その場で窃盗未遂罪で現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
◇窃盗未遂罪◇
~窃盗未遂罪~
Aさんは、窃盗の未遂犯として逮捕されました。
未遂犯は、未遂犯処罰規定がある場合は、処罰されます。
窃盗罪は未遂犯処罰規定が置かれています。
刑法第243条
第235条から・・・の未遂は、罰する。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
未遂とは「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった」(刑法第43条)ことを言います。つまり、犯罪の実行に着手したかどうかで、未遂犯として処罰されるのか、それとも未遂犯にならず処罰されないかどうかが決まります。
~実行の着手~
窃盗罪における実行の着手は、盗む行為それ自体の開始時点に限定されず、これに密接な行為であって、既遂に至る客観的危険性が発生した時点に認められる、とされています。
本件では、釣銭に手が伸びたり掴んだりしたわけではないので、釣銭を盗む行為それ自体が開始されたとは言えません。
しかし、自動販売機内に保管されている釣銭を盗むために、自動販売機をバールでこじ開けて破損させる行為は、窃盗のために行った行為であり、窃盗の実行の着手があったと考えて問題ないでしょう。
◇窃盗未遂罪の刑事弁護活動◇
Aさんのように、現行犯逮捕された場合、一定期間身柄を捜査機関に拘束されることになります。
逮捕後、72時間以内に勾留されるかどうかの判断がなされ、仮に勾留されるとなった場合、最短で10日間、延長されれば追加で10日間、合計20日間の身柄拘束を受けることになります。
逮捕や勾留といった身体拘束を受けてしまうと、仕事や学校に行くことが出来なくなってしまうため、被疑者本人に負担が大きいのはもちろん、その家族にとっても大きな負担になります。
また、さらに刑事手続が進み、起訴されてしまうと、今度は裁判が行われることになりますので、被告人や家族の負担は更に大きくなります。
~不起訴を目指す~
刑事事件の早期解決の手段の1つは、不起訴処分を獲得することです。
窃盗罪は財産的な犯罪なので、被害者の方に謝罪をし、示談交渉を行うことが不起訴処分を得るための最も有効な手段となります。また、再犯防止のための措置を具体的に用意することなども考えられます。このような弁護活動を通して、弁護士は検察官に被疑者の方が反省していること、被害の回復や処罰感情が減退していることを主張して、不起訴処分の獲得を目指します。
◇窃盗未遂事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部では、刑事事件に強い弁護士が所属する法律事務所です。
無料法律相談や初回接見サービスのご予約は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。