【警察の犯罪捜査】捜索差押を受けた際に注意すること
- 2020年3月3日
- コラム
警察官による捜索差押を受けた際に注意すべき点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
「捜索差押」と呼ばれる法律用語を聞いた事がある方も多いかと思います。
また聞いた事がない方も、「ガサ」と言われれば、聞いた事があるのではないでしょうか?
捜索差押とは、犯罪捜査において、警察等の捜査当局が強制的に証拠品を押収する手続きのことで、テレビドラマなどでは、よく「ガサ」と表現されています。
そこで、本日はこの捜索差押について、刑事事件を専門にしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説いたします。
二種類の捜索差押
捜索差押は大きく「令状による捜索差押」と「令状によらない捜索差押」に分けられます。
~令状による捜索差押~
まず令状とは、裁判官の発する「捜索差押許可状」のことです。
捜索差押許可状は、警察等の捜査機関が犯罪を捜査する上で、証拠品を押収する必要性が生じた時に、裁判官に請求します。
請求する際は、捜索差押の必要性を明らかにして、捜索すべき場所、捜索によって押収すべき物を特定しておかなければなりません。
そのため、捜索差押許可状には必ず「捜索すべき場所」と「押収すべき物」が明記されており、捜索差押を実施する捜査員は、立会人に対して捜索差押許可状を示し、これらを明らかにします。
つまり、令状に明記されていない場所を捜索したり、令状に明記されていない物を押収することはできないのです。
~令状によらない捜索差押~
捜索差押には必ず「捜索差押許可状」が必要か?と言えば、実はそうではありません。
捜索差押許可状がなくても、警察等の捜査機関は捜索差押をすることができますが、それは逮捕にともなう場合に限られます。
逮捕の種別に限りはありませんが、捜索できる場所は、逮捕に近接した場所に限られており、犯人を逮捕した場所から離れている、犯人の住居までは捜索することはせきません。
また押収できる物も、逮捕事件に関係すると思料される物品に限られます。
◇捜索差押を受けた際に注意すること◇
自身が犯罪に関与していなくても、家族や職場の同僚が逮捕されたり、警察の捜査を受けたりした場合は、警察の捜索差押に立ち会わなければならなくなる場合があります。
そんな時は、しっかりと令状を確認しなければなりません。
捜索差押の立会人は、捜索差押許可状を確認することができます。
先述したように、捜索差押許可状には、捜索差押の場所と、押収すべき物が明記されていますので、その内容を確認してください。
令状に明記されていない場所を捜索されたり、明記されていない物を押収されたりしないように注意しなけれなりません。
また警察等の捜査機関は、捜索において捜索差押許可状に明記されていない証拠品が発見された場合、立会人に対して任意に提出するように求めることがあります。
立会人の立場では、任意提出に応じるべきか判断に迷ってしまうところですが、一度、捜査機関に任意提出してしまうと、捜査が終わるまでなかなか還付されることありません。
法律では、押収された証拠品の還付に関して明確な基準が定められていませんので、押収品の還付に関しては捜査機関の裁量に委ねられていると言えます。
◇警察の犯罪捜査に強い弁護士◇
数多くある法律の中でも、刑事事件の犯罪捜査に関する法律は極めて専門的なもので、日常生活で触れる機会は滅多にありません。
そのため、警察の捜査を受けた方は、捜査員に言われるがまま従ってしまいがちですが、誤った説明がなされている場合も多々あるようです。
警察等の捜査機関の手続きに疑問のある方、捜索差押に強い弁護士をお探しの方は、刑事事件を専門にしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部にご相談ください。