岸和田市で万引き 事後強盗罪で逮捕されたら
- 2019年12月9日
- コラム
岸和田市の万引き後に逃走して事後強盗罪で逮捕された刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説いたします。
◇万引き事件◇
無職のAさんは、何年も前から日々のストレスを発散する目的で、岸和田市にある近所のスーパーで万引きを繰り返しています。
これまで何度か警察に捕まった歴があり、刑事事件化されずに済んだ事件もあれば、刑事裁判まで手続きが進んだこともありますが、5年前に執行猶予判決を受けてからは、警察に捕まっていません。
しかし3日前に、同じスーパーでお弁当等の食料品を万引きしてお店の外に出たところを店員に捕まりそうになったAさんは、その店員を突き飛ばしてしまいました。
Aさんに突き飛ばされた店員は、転倒し地面に身体を打ちつけて手を擦り剥く傷害を負ったようです。
Aさんは、その場で別の店員にとりさえられて、通報で駆け付けた警察官によって、大阪府岸和田警察署に連行されたのですが、そこでAさんは、警察官から「事後強盗罪」で逮捕した旨を聞かされました。
窃盗罪だと思っていたAさんは、事後強盗罪という罪名を聞いて驚いています。
(この事例はフィクションです)
◇万引きと事後強盗罪◇
万引きは窃盗罪です。
窃盗罪は、簡単にいうと人の物を盗む犯罪ですので、単なる万引き行為だけならば窃盗罪に抵触するでしょうが、今回の事件でAさんは万引き後に逃走する際に店員を突き飛ばして怪我をさせています。
店員を突き飛ばす行為は暴行罪に当たるので、それによって店員が傷害を負ったとすれば、単純に傷害罪となり、Aさんの一連の犯行は、窃盗罪と傷害罪に抵触することになりますが、刑法には「事後強盗罪」という法律が定められています。
~事後強盗罪~
事後強盗罪とは、万引き等の窃盗を犯した犯人が
①盗んだ物を盗り返すのを阻止する
②逮捕を免れる
③証拠を隠滅する
ために、相手に対して暴行や脅迫をした時に成立する犯罪です。
事後強盗罪は刑法第238条に定められている法律で、事後強盗罪と認められた場合は、刑法第236条の強盗罪と同等に判断されることとなります。
事後強盗罪は、窃盗の既遂若しくは未遂の犯人が、上記①~③の何れかの目的で、反抗を抑圧するに足りる程度の暴行、脅迫を相手方に加えることによって成立します。
事後強盗罪の主体となるのは、窃盗犯に限られますので、例えば詐欺罪に抵触するような無銭飲食をした犯人が、追いかけてきた店員に捕まるのを免れるために、その店員に対して暴行したとしても、事後強盗罪は成立しません。
◇事後強盗罪は逮捕される可能性が非常に高い◇
万引き程度の窃盗事件であれば、被害額もそれほど高額にならないでしょうから、執行猶予中の犯行等で逃走のおそれが認められたり、盗んだ商品を隠匿する等の証拠隠滅のおそれが認められない限りは逮捕されるリスクは非常に低いといえるでしょう。
しかし事後強盗罪と認められた場合は、先述したように、強盗罪と同じ扱いを受けるので、起訴されて有罪が確定すれば「5年以上の有期懲役」となり、非常に重たい処分が想定されるため、逮捕される可能性が非常に高くなるでしょう。
◇事後強盗罪の弁護活動◇
事後強盗罪の弁護活動については、起訴されるまでは被害者との示談がメインとなります。
窃盗の被害者に対する弁償や謝罪を含めた示談交渉だけでなく、暴行や脅迫をした相手に対する弁済や謝罪も必要になってくるでしょう。
何れにしても起訴を免れるには、勾留期間中の示談が必至となります。
また事後強盗罪で逮捕された場合であっても、その後の捜査の進展次第で、窃盗罪と暴行罪と罪名がこともありますので、ご家族、ご友人が事後強盗罪で逮捕された場合は早めに弁護士に相談することをお勧めします。
◇岸和田市の事後強盗罪に強い刑事弁護士◇
岸和田市の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が事後強盗罪で警察に逮捕されてしまった方は、岸和田市内の刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部にご相談ください。
岸和田市の刑事事件に関する無料法律相談、大阪府岸和田警察署への初回接見のご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。