公務員による公然わいせつ事件 刑事事件を起こすと失職するのか
- 2019年12月24日
- コラム
公務員が起こした公然わいせつ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
公務員による公然わいせつ事件
泉南市役所に勤める公務員のAさんは、仕事でストレスがたまってしまい、そのストレスを解消するために、深夜の路上で露出行為を繰り返していました。
Aさんは、道行く女性に、下半身を露出して見せつけ、女性の驚く姿を見てストレスを解消していたのです。
先日、犯行後に自宅に逃げ帰ろうとしたところ、警察官に職務質問されたAさんは、警察官から追及されて、これまでの犯行を自供しました。
大阪府泉南警察署に連行されて警察官の取調べを受けたAさんは、逮捕はされずに、自宅に帰ることができたのですが、今後も取調べが続き、その後、刑事処分がくだされることを知りました。
前科が付くと公務員を失職すると聞いていたAさんは、今後のことが不安で、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部に相談することにしました。
(フィクションです。)
公然わいせつ罪
公然わいせつ罪とは、公然とわいせつな行為をすることで成立する犯罪です。
公然わいせつ罪でいうところの「公然」とは、不特定多数の者が認識できる状態を意味しますが、実際に不特定又は多数の者によって認識される必要はありません。
ですから、わいせつ行為をした場所に、行為時に誰もいなかっとしても、その場所が、公園や道路のように、いつ人が来るかもしれない場所であれば公然わいせつ罪は成立し得ます。
またわいせつ行為をした場所が屋内であっても、その場所が容易に外部から見えるような解放された場所であれば、公然性が認められる危険性があります。
また「わいせつ行為」とは、性欲の刺激、満足を目的とする行為で善良の風俗に反し、一般人に羞恥心を感じさせる行為をいいます。
性交渉や自慰行為は当然のこと、Aさんのように下半身を露出する行為も、公然わいせつ罪でいうところの「わいせつな行為」に該当します。
公然わいせつ罪の法定刑は「6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。
刑事事件を起こした公務員は失職するの?
警察の取調べを受けただけでは失職することはありませんし、例え警察に逮捕されたとしても、その時点で失職することはありません。
ただ禁錮以上の刑に処せられた公務員は、基本的に失職してしまいます。
このことは地方公務員法16条2号と28条4項、国家公務員法38条2号に明記されています。
~罰金刑であれば失職しないの?~
罰金刑であっても失職する可能性があります。
地方公務員法には
第29条2号・3号
職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
第33条
職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
と明記されており、また国家公務員法には
第82条2号・3号
職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
第99条
職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
と明記されています。
つまり、このような規定が適用されているので、罰金刑でも懲戒免職となる可能性があるのです。
公務員の起こした刑事事件に強い弁護士
公務員が公然わいせつ等の刑事事件を起こしてしまった場合、弁護士は、懲戒処分を避けるためには公訴提起前の活動により、不起訴処分を獲得することが何よりも重要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部は、これまでの数多くの刑事事件を解決してきた実績があり、公務員の方が起こした刑事事件を扱った経験がございます。
泉南市の刑事事件でお困りの方、公務員の起こした公然わいせつ事件に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部にご相談ください。