発覚前の業務上横領罪
- 2021年2月12日
- コラム
発覚前の業務上横領罪
発覚前の業務上横領罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府河内長野市にあるコンビニエンスストアで雇われ店長として勤務していたAは、ギャンブル等の遊興費に多額のお金を費やしていました。
ギャンブルでの負けが続いてしまい、生活費がなくなったAは、会社のお金を横領して何とか現状を乗り切ろうとしました。
そこでAは、本社へ報告する売上金について、実際の売り上げよりも売上金を少なく申告してその差額を自分の懐にいれるようになりました。
結局Aは、生活の立て直しのために、半年間で約100万円もの金額を横領してしまいました。
このままでは、発覚して逮捕されてしまうのではないかと考えたAは、刑事事件に強い弁護士に相談に行くことにしました。
(この事例はフィクションです。)
示談での解決 ←クリック
~業務上横領罪~
業務上横領罪は刑法第253条に規定されています。
刑法第253条
「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。」
横領罪とは、「自己の占有する他人の財物を、不法に取得する犯罪」です。他人の財物を奪うという点では、窃盗罪、強盗罪、詐欺罪、恐喝罪等と同じですが、自己の占有するという点で窃盗罪等と区別されます。
横領罪の中でも、物の占有が、占有者の業務遂行にともなうものである時は、業務上横領罪が成立します。
今回の事例のAは、コンビニエンスストアの雇われ店長でしたので、その店の売上金については業務遂行に伴う占有であるといえるでしょう。
刑法第252条に定められている単純な横領罪の法定刑が「5年以下の懲役」であるのに対して、業務上横領罪は、「10年以下の懲役」と厳しくなっています。
なお、業務上横領罪の「業務」とは、人の社会生活上の地位に基づいて反復、継続して行われる事務の事を意味し、必ずしも職業、職務として行われたり、報酬、利益を目的として行われるものとはかぎりません。
~不法領得の意思~
不法領得の意思といえば、窃盗罪を思い浮かべるかと思いますが、横領罪の成立にも行為者の不法領得の意思が必要となります。
一般的に、横領罪での不法領得の意思は「他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思」と定義されています。
なお、窃盗罪における不法領得の意思のように「経済的用法に従い」という限定が付されていない事から、単に遺棄、隠匿するだけの意思でも、横領罪における「不法領得の意思」が認められる場合があります。
~発覚前の刑事事件~
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、警察や被害者に発覚する前の刑事事件の弁護活動にも対応しています。
今回の事例のように、会社にも発覚していないような業務上横領事件においては、会社側に事実を話して示談交渉をしていくことが考えられます。
示談交渉によって被害弁償することができれば、刑事事件化しないということもあります。
しかし、自ら罪を告白することになるので、その後の対応も含めて刑事事件に強い弁護士に相談をし、アドバイスを得たほうがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
発覚前の刑事事件において、発覚した際にすぐに対応できるような契約形態もございますので、一度お気軽にお問い合わせください。
業務上横領罪やその他刑事事件・少年事件でお悩みの方は、通話料無料のフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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