性交していない強制性交等罪
- 2021年2月9日
- コラム
性交していない強制性交等罪
性交していない場合の強制性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大学生4年生のA(21歳)はサークルでの飲み会後、同級生のVと二人で大阪府泉南市にあるAの部屋で飲みなおすことになりました。
Vに好意を持っていたAは我慢できなくなり、Vに無理やり自身の性器を咥えさせました。
Aの射精後、VはすぐにAの部屋を出てていき、大阪府泉南警察署に被害届を提出しました。
翌日、Aの自宅に大阪府泉南警察署の警察官が訪れ、Aは強制性交等罪の疑いで逮捕されてしまいました。
事情をきいたAの両親は性交をしていないのに、強制性交等罪となってしまうのかと疑問に思い、刑事事件に強い弁護士に弁護活動を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです。)
~強制性交等罪~
平成29年に刑法が改正され、旧強姦罪が廃止されて強制性交等罪が新設されました。
これは、単に強姦罪が強制性交等罪という名前になっただけというわけではなく、犯罪の成立に関しても、大きく変更されています。
刑法第177条
「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。」
強姦罪では、性器の挿入を伴う性交がその対象となっていました。
しかし、強制性交等罪の対象となる行為は、性交だけでなく、肛門性交又は口腔性交も含まれます。
つまり、性交していなかったとしても、強制性交等罪が成立することになるのです。
そのため、今回の事例のAがVに無理矢理自身の性器を咥えさせた口腔性交についても、強制性交等罪が成立することになります。
また、強制性交等罪の「暴行又は脅迫を用いて」とは、簡単に言えば暴行や脅迫で相手の抵抗を押さえつけて、という意味です。
例えば、身体や手を押さえつける、暴力をふるう、凶器を使って脅すといったことが考えられます。
今回のAは嫌がるVに無理矢理口腔性交をさせているわけですから、Vに何らかの暴行・脅迫を行ってその抵抗を抑えていることが予想されます。
この他にも、被害者の告訴がなければ起訴されることのない親告罪であった強姦罪から非親告罪に変更されていたり、口腔性交と肛門性交が追加されたことから、男性だけが加害者、女性だけが被害者となっていた強姦罪から性別の区別もなくなったりしています。
~強制性交等罪の弁護活動~
強制性交等罪は、前述のように被害者の告訴がなくても起訴されることのある非親告罪となりましたが、被害者との示談を成立させることができれば、不起訴処分を獲得することができるかもしれません。
しかし、性犯罪の被害者からすれば、そういった不起訴の可能性のある示談を締結することに抵抗があるでしょうし、加害者本人やその家族から示談交渉をしたいと言われても直接連絡を取ることは恐怖心もあり難しいでしょう。
このように、困難が予想される示談交渉には、刑事事件に強い弁護士に弁護活動を依頼するようにしましょう。
弁護士が間に入ることで、被害者も加害者本人やその家族と直接連絡を取る必要もなくなり、示談交渉に応じてもらいやすくなるでしょう。
さらに、刑事事件に強い弁護士は示談交渉の経験も豊富にありますので、安心して示談交渉をお任せいただくことができます。
強制性交等事件によって逮捕されてしまった場合にはすぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
弊所の弁護士は、強制性交等事件などの性犯罪を含む刑事事件専門の弁護士として活動しております。
被害者の方への謝罪から被疑者本人へのアドバイスまで、幅広く弁護活動を行っておりますのでまずはお気軽にご相談下さい。
通話料無料のフリーダイヤル0120-631-881にて無料法律相談、初回接見の受付を24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。