裁判員裁判について、刑事事件に強い弁護士が解説①
- 2020年5月2日
- コラム
裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
平成16年に「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立し、平成21年に裁判員制度が始まって10年以上が経過しました。
裁判員制度は、国民が司法に参加する日本では初の試みで、実際のこの制度が導入されてから、刑事裁判のあり方が大きく変わりました。
そこで本日から二回にわたって、裁判員裁判について、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部の弁護士が解説します。
◇裁判員制度の概要◇
裁判員制度とは、一定の重大犯罪について、国民から選ばれた6人の裁判員と、3人の職業裁判官が合議の上、裁判を行う制度です。
裁判員が刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めます。
諸外国の制度と比較すると、裁判員が、事実認定だけでなく、法律判断も行うこと、評議において、裁判員と職業裁判官1票が、基本的には同じ価値を有することに特徴があります。
これまでの裁判官のみによる裁判手続との比較では、ポイントを絞ったスピーディーな裁判が行われるようになりました。
これまでの裁判は、約1か月おきに間隔をあけて行われることが多かったのですが、裁判員裁判では、連日開廷し、多くの裁判員裁判は数日で終わります。
また、検察、弁護側双方が裁判員にわかりやすいように、メリハリのある裁判を行うよう様々な工夫を行うようになりました。
◇裁判員裁判が導入されることになった経緯◇
裁判員裁判は、国民の司法参加を目指して導入されました。
これまでの刑事裁判は、検察官や弁護士、裁判官という法律の専門家が中心となって行われてきました。
その結果として、専門的な正確さを重視する余り審理や判決が国民にとって理解しにくいものであったほか、審理に長期間を要する事件もあり、刑事裁判は多くの国民にとって縁遠いものでした。
このような状況は、多くの国で刑事裁判に直接国民が関わる制度が設けられており、国民の司法への理解を深める上で大きな役割を果たしていることとは全く異なるものでした。
そこで、司法制度改革の中で、国民の司法参加の制度の導入が検討され、裁判官と、国民から選ばれた裁判員が、それぞれの知識経験を生かしつつ共に判断すること(裁判員と裁判官の協働)により、より国民の理解しやすい裁判を実現するべく裁判員制度が導入されました。
◇裁判員裁判の対象となる事件◇
裁判員裁判の対象となる事件は
●死刑又は無期懲役・無期禁固に当たる罪に係る事件
●裁判所法第26条2項2号に規定された事件のうちで、故意の犯罪行為によって人を死亡させた罪に係る事件
です(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条)。
死刑又は無期懲役・無期禁固に当たる罪に係る事件とは、たとえば、殺人、強盗致傷・強盗致死・強盗傷害・強盗殺人、強姦致傷・強姦致死・強姦傷害・強姦殺人、身代金目的誘拐(略取)、現住建造物等放火、通貨偽造・偽造通貨行使、営利目的覚せい剤輸出入(製造)、業として行う麻薬等の輸出入などです。
それでは、裁判所法第26条2項2号に規定された事件のうちで故意の犯罪行為によって人を死亡させた罪に係る事件について説明します。
裁判所法26条2項2号は、一定の重大犯罪などについて、裁判官が合議体で行うと定めたものです(これを「法定合議事件」といいます。)。
法定合議事件のうち、故意の犯罪行為によって人を死亡させた罪に係る事件が裁判員裁判の対象となります。
故意の犯罪行為でなければならないので、過失で人を死亡させた罪は含まれません。
裁判員裁判の対象となる典型的なものは、殺すつもりはなかったけれども故意の犯罪行為を行った結果、人を死なせてしまった場合です。
例えば、殺そうとは思わずに人を殴って怪我をさせたところ、その怪我がもとで相手が死んでしまった場合です。
◇裁判員裁判に強い弁護士◇
裁判員裁判は、対象事件が限定されていることから、経験したことのある弁護士の数も限られています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、裁判員裁判の経験豊富な刑事事件専門の法律事務所ですので、裁判員裁判の対象事件に強い弁護士をお探しの方は、是非、ご相談ください。
裁判員裁判に関するご相談は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお問い合わせください。