死体遺棄事件で執行猶予を目指す刑事弁護活動
- 2020年4月22日
- コラム
死体遺棄事件で執行猶予を目指す刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部が解説します。
◇死体遺棄罪で逮捕◇
大阪府泉大津市に住むフリーターのA子は、特定の交際相手はいませんでしたが、複数人と肉体関係をもっており、父親のわからない子どもを妊娠してしまいました。
このような状態では、両親や友人にも相談することができず、A子は何も行動を起こせずにいました。
すでに中絶できる期間は過ぎてしまい、病院に行くこともできなかったA子は、なんと自宅で出産をすることになってしまいました。
しかし、生まれてきた子どもは死んでしまっており、どうすればよいかわからなくなったA子は、自宅近くにある駅のコインロッカーに子どもの遺体を入れて帰宅してしまいました。
数日後、駅員がコインロッカーに入れられた子どもの遺体を発見し、大阪府泉大津警察署に通報しました。
A子は逮捕されることになってしまい、A子が逮捕されたという連絡を受けたA子の両親は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです。)
◇死体遺棄罪◇
死体を遺棄した場合、刑法第190条の死体遺棄罪となります。
刑法 第190条
「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」
死体遺棄罪の対象となるのは「死体」で、身体の一部や、人の形体を備えた死胎を含むとされています。
「遺棄」とは通常、場所的移転を伴い、死体の現存する場所から他の場所に移動させて放棄することを指しますが、ほかにも、葬祭の義務を有する者が社会通念上埋葬と認められない方法で放棄することも含まれます。
◇執行猶予◇
死体遺棄罪の法定刑は、「3年以下の懲役」と罰金刑が規定されていないため、起訴されてしまうと刑事裁判を受けることになってしまいます。
もしも、死体遺棄罪で起訴されてしまった場合、刑事事件に強い弁護士は執行猶予判決を目指して活動していくことになります。
刑の全部の執行猶予は刑法第25条第1項に規定されており、裁判の確定日から「1年以上5年以下」の期間、その刑の執行を猶予することができるとされています。
刑の全部の執行猶予を受けることができるのは
1.前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2.前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者
とされています。
上記の者が「3年以下懲役又は50万円以下の罰金の言い渡し」を受けた場合に執行猶予となる可能性があります。
起訴されてしまうと、無罪を目指すことができない状況では、この執行猶予を目指していきます。
ただ、死体遺棄事件であっても不起訴処分を獲得できる可能性はありますので、具体的事情に対する見通しに関しては、専門家である弁護士の見解を聞く必要がありますので、刑事事件を専門に扱う弁護士に相談するようにしましょう。
◇死体遺棄罪で執行猶予を目指す弁護士◇
死体遺棄事件で逮捕された場合、殺人罪についても取調べを受ける可能性が考えられます。
実際に殺人行為をしていなかったとしても、容疑がかかれば殺人罪での再逮捕なども考えられます。
殺人罪の法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」と非常に重く、さらに起訴されるとなれば裁判員裁判にもなります。
死体遺棄事件で逮捕されてしまった場合には、できる限り早く弁護士を選任し、取調べのアドバイスを受けるようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所堺支部では、死体遺棄事件や殺人罪など重大犯罪にも対応可能な刑事事件専門の弁護士が多数在籍しています。
大阪府泉大津市の刑事事件でお困りの方は、まずフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
無料法律相談、初回接見のご予約を24時間体制で受け付けております。